ここで気をつけなければならないのは、眠気が強くなってきた被験者はひじょうに不機嫌になったり、判断が雑になったりするので、正確に測ろうとあれこれスケールをふやすと、かえってデータの信頼性や安定性がそこなわれることもある。ここらのかねあいがなかなかむずかしい。集団調査では、もっとも単純に「ひじょうに眠い」という判断だけに注目しても、眠気の時間特性を見ることができる。四〇〇人の大学生を対象に「ひじょうに眠い」と感じた時刻を三〇分きざみでしらべたものである。午後二時に、五〇%以上の学生が耐えがたい眠気を感じており、四四%の学生が思わず眠ってしまったと答えている。 

 

 

一〇時にも小さなピークがあるが、大学生にとって日中の眠気といえば、午後二時の眠気がもっとも強烈であることがわかる。ところが、経路が一定していないタクシーやトラックの運転者では、午後二時の眠気と、それにもまして、早朝の三?四時にもっとも強い眠気におそわれているのがわかる。 一般ドライバーにもすこし見られるが、ふつうの人はこの時間帯は眠っており、朝の三?四時がほんとうに眠いといわれてもピンとこない。眠気というものは、眠れないか、無理に起きている人が感じるもので、ふつうの生活をしている人では午後二時の眠気がもっとも強いということになる。ここから、もっとも強い眠気は夜間睡眠の時間帯にあり、二四時間周期のリズムで変動していることがわかる。つぎに午後二時にあらわれる一二時間周期のリズム、そして弱い二時間周期のリズムなどがすこし見えてくるが、まだあまりはっきりとしていない。