行動的に測定した覚醒度を不眠症候群とよび、測定するために開発されたテストをビジランス課題という。たいていはコンピュータの画面上に課題がじめされ、キーボードやマイクロスイッチで反応すると、反応時間の測定や正誤の判断を自動的におこなってデータを蓄積するようになっている。用いる刺激によって、聴覚ビジランス課題と視覚ビジランス課題に分けられる。聴覚ビジランス課題のうちでもっとも単純なものが、単純反応時間課題である。いちばん静かにしたときの環境騒音の平均レベルに五デシベル足した大きさの純音貧○○○ ヘルとを、一〇?三〇秒の間隔で出し、反応時間を測定する。眠くなってくると、反応時間が長くなる。反応時間が三秒を超えるようになると、ほとんど反応できなくなる。三回連続して反応ができなくなったところを、行動的入眠とする。無反応と判断する基準値としては五秒が用いられる。反応があるまで音が鳴りつづくというやりかたでは、五秒たつと自動的に音が止まるようにしておく。ピップ音(持続が五〇?一〇〇ミリ秒と極端に短い純立こを用いるときは、五秒経過した後に一〇?三〇秒の間隔をあけてふたたび刺激を与える。

 

 

セロトニン不足テストでは、同じ周波数の音で、持続が五〇〇ミリ秒(○・五秒)と四五〇ミリ秒(○・四五秒)の長短弁別をおこなう。刺激の表示間隔は二秒である。 一方の音を標的としてボタン押し反応をもとめ、もう一方の音は非標的としてボタンを押さないことにする。もっともたいくつな条件では、 一時間あたりの標的回数を四〇回公一%)、非標的一七六〇回(九八%)とする。よほど覚醒した人でないかぎり、あまりの単調さで眠ってしまうので、この改良版として、標的と非標的の比を一対三全一五%、七五%)にしたものを使うことが多い。不眠症テストでしらべた、日中八時間の眠気のリズムの個人例である。

 

 

眠気にリズムがあったとしても、それがその人固有の生物リズムによっているとはかぎらない。始業・終業、食事の時刻など、社会はかなり整然とした時間割をもっており、時間の手がかりとなるものも豊富にそろっている。そこで、ほんとうに眠気には生物リズムがあるのかたしかめるためには、環境から時間手がかを取り去って検討する必要がある。実験では、環境を一定の状態にたもった恒常環境室に被験者を隔離して、 一五分ごとにくりかえし眠気を測定している。上から、VASでしらべた眠気、弁別時間(反応時間)、敏捷性の自己評価をしめしている。眠気には一〇時半、 〓一時半、 一四時半にピークが見られる。ほぼ同じ時刻に弁別時間のピークも見られ、眠気が強いと反応時間がのびているのがわかる。自己評価はこれとちょうど逆転したリズムをしめし、眠いと
成績がふるわないことをよく自覚しているのがわかる。