精神生理的評価法としては、るまでの入眠潜時を測る方法、脳波のスペクトルパワーを用いる方法と、睡眠段階1が出現す超短縮睡眠‐覚醒スケジュール法などがある。これまでの研究を見るかぎり、どこか特定の一部位の脳波をとりだしたのでは、眠気の指標としてはあまり感度はよくないようでぁる。睡眠脳波は頭の前側からあらわれて頭全体へひろがっていく。 一方、覚醒系の速い脳波活動は後頭部を中心に活動をつづけ、なかなか減衰しない。そこで頭頂部あるいは中心部など両方の活動をカバーできそうな場所を代表部位として選ぶことになるが、睡眠段階の判定のように脳波記録を総合的に見るほうが、眠気を測るのには適しているようである。本章の扉にしめした図は、頭頂後頭合成脳波(頭甲後頭双極導出)を二〇分ごとにスペクトル分析し、えられた脳波スペクトルから二二個のパラメータをとりだして分析した結果をしめしたものである。最終的には脳波スペクトルの特徴から覚醒中のものを〇、睡眠段階1のものを一・〇として一一時間分のデータをプロットしたものである。約二時間の眠気のリズムが見事にとらえられている。

 

朝起きてから一時間半から三時間たったところから測定をはじめ、二時間ごとに四回は測定する。ベッドに入り、消灯してから睡眠段階1があらわれるまでの時間を測る。この時間を潜時という。段階1の判定区間を三〇秒とし、三区間連続したら入眠と判定し、ただちに被験者をおこす。眠ければ潜時は短く、眠くなければ潜時は長くなる。最大潜時を二〇分として、二〇分待っても段階1があらわれないときは測定を打ち切る。このようにして、四回の測定値の平均をもとめると、健康成人ではふつう潜時は一〇分以上になる。平均潜時が五?一〇分を境界領域とし、五分以下のときを「極度の眠気」あるいは「病的に強い眠気」と判断する。