ニ時間きざみでは、周期が四時間以上のゆっくりした変動成分しかとらえることはできない。
したがって、MSLTやその特別版でも一二時間周期と二四時間周期のリズムはとらえられる
が、二時間周期の眠気のリズムはとらえることができない。そこで、七分の睡眠期と一三分の
覚醒期で、あわせて二〇分間の睡眠―覚醒周期を一単位として、くりかえし測定するという方
法が開発された。
ふつうの睡眠費醒周期は、八時間の睡眠期と一六時間の覚醒期からなっており、その比は一対二である。七分対一三分では一対二にすこし足りないが、これを七二回くりかえすと二四時間になり、睡眠期は合計五〇四分(八時間二四分)、覚醒期は合計九二六分盆五時間一一一六分)で、ふだんの睡眠と覚醒の時間に近い値をとる。睡眠の必要性が高く、眠気が強ければ、七分間の睡眠期の大部分が睡眠で占められるが、眠る必要がなく眠くもないときは、睡眠期に入ってもほとんど眠ることはない。このようにして二〇分ごとに七分間の睡眠期をもうけ、そこにあらわれた睡眠の長さから、睡眠の必要性と眠気の強さを測ろうというものである。

 

 

四八時間にわたって連続測定した、睡眠期七分間にあらわれた睡眠の量をプロットしたものである。このような眠気の曲線を睡眠傾向曲線とよび、さまざまな条件での眠気と睡眠の発生確率を推定するのに使われる。「寝てください」と指示する入眠試行条件と、「起きていてください」と指示する覚醒維持条件では、後者のほうがやや睡眠時間が短くなっているが、それでも二つの曲線には周期が二時間、 〓一時間、二四時間の二つの眠気のリズムがあらわれているのがわかる。また、この図から、 一九時前後では眠ろうとしてもほとんど眠れないことがわかる。ここが睡眠禁止帯とよばれる時間帯である。二四時間と一二時間周期の眠気のピークが立ち上がる直前に睡眠の入口があると考えられており、そのくわしい本態はわかっていない。