成人の眠気を構成する三つのリズムの関係はどうなっているのだろうか。模式図を図2 ・8にしめす。縦軸は覚醒から睡眠へ移行する潜在的な確率(睡眠の発生確率)を、横軸は時刻の推移をしめしている。太い線は大きな眠気の変動曲線で、夜間睡眠の時間帯がもっとも睡眠がおこりやすいことをしめしている。二四時間周期でくりかえしおこる眠気は、早朝の四.六時ごろに最大値をとる。直訳すれ「概日リズム」あるいは「約一日リズム」ということになる。日常生活におよばす影響は、生物リズムのなかでもっとも強い。二四プラスマイナス四時間の周期をもったリズムがサーカディアンリズムである。「概半日リズム」あるいは「約半日リズム」と訳したり、「潮汐リズム」と訳すこともある。 一五?一六時にかけて見られるピークがこれにあたり、第二の強い眠気のリズムである。 〓一時間周期であれば、眠気のピークは一日二回あらわれるはずであるが、図に中程度の眠気のピークは一つしか見られない。そのわけは、 一五?一六時の一二時間後は早朝の三?四時になり、この時刻はちょうど夜間睡眠の最中で、しかももっとも強いサーカディアンリズムの眠気のピーク時刻に重なっているためである。太い実線の上に破線でしめしたリズムが、約二時間周期のウルトラディアンリズムである。眠気のリズムとしては振幅も低く、影響力はあまり強くないが、単調環境では思いのほかの威力を発揮し、あくびが出そうになったり、まぶたがくっつきそうになるので、安心はできない。